nominaR8 — 薬価制度の解説
一つの薬の値段は、
二十年かけてこの形になる。
曲がるところにも、平らなところにも、制度がある。
公的医療保険で使える医薬品の価格表が薬価基準、その値段の決め方のルール全体が薬価制度です。 新薬の価格は収載のときに一度決めたら終わりではなく、そこから毎年動きます。 下の線は、1つの薬の薬価が収載から20年でたどる道。 11の番号がその形をつくっている制度です。 線の形には現れない前提・算式・決めている場・論点を加えて、令和8年度(2026年度)の算定基準に対応した全17項目です。
- PMPの対象になった薬
- 対象にならなかった薬
- 後発品
- 最低薬価の床
制度の効き方を示す模式図で、特定の品目の実績ではありません。縦は収載時の薬価を100とした割合、横は収載からの年数です。 後発品の出発点は、累積額を控除したあとの先発品薬価の半分に置いています(第2章第2部1のヘ)。 G1は後発品価格の2.5倍・2倍・1.5倍・1倍と2年ごとに4段で、最後の段で先発品は後発品と同じ値段になるため、20年目の手前で2本の線が重なります。 実際の品目がたどった薬価は nominaDB で1品目ずつ確認できます。
制度の名前ではなく、順番で読みたいとき
01 薬価の一生を、はじめから読む線をつくる十一の制度
番号は図の番号と同じです
- 1 04新薬 — 値段をつける 類似薬効比較方式か原価計算方式か。補正加算を乗せ、米英独仏の価格と比べて整える(この外国平均価格調整は、改定のときにも第11節として働く)
- 2 11費用対効果評価 — 効果に見合うか調整する 対象に指定された品目だけ、収載後の分析結果で価格の一部が動く
- 3 10革新的新薬薬価維持制度 — 据え置く 対象になれば毎年の引下げを適用しない。ただし維持した分は特許切れのときにまとめて返す
- 4 07実勢価改定 — 毎年下げる 収載後の引下げの本体。薬価調査で乖離率を測り、実勢価格に合わせる
- 5 08再算定 — 売れすぎたら下げる 市場拡大再算定(とその特例のSPA-SSS)、効能変化再算定、用法用量変化再算定の3本立て。年4回の随時改定で本改定を待たずに下がることもある
- 6 09改定時加算 — 上げる 小児・希少疾病などの効能追加や、市販後に標準的治療法になったことを評価する
- 7 10累積額の控除 — まとめて返す 後発品の収載、または収載から15年で薬価維持期間が終わる
- 8 06後発品 — 半額から始める 内用薬で同時収載が7品目を超えるときは0.4倍。先発品の累積額を剥がしてから0.5倍を掛ける
- 9 06価格帯の集約 — 1つの値段に寄せる 外れうるのは12 後発品企業の評価でA区分(上位2割)に入った企業の品目だけ。それでも乖離率が大きければ集約される
- 10 05長期収載品 — 後発品の水準へ 令和8年度改革でG1に一本化(令和6年度まではG2があった)。患者負担を上げる選定療養も並行して働く
- 11 13下支え措置 — 床を作る 最低薬価、不採算品再算定、基礎的医薬品。線を下から支える3つの規定
線の外にあるもの
前提・算式・決めている場・いま議論されていること