Section 06

後発品の薬価算定

後発品の価格は、収載時に先発品の何掛けで入るかと、改定時に何本の価格帯へまとめられるかの2段階で決まります。収載時には、内用薬で同時に収載される品目が多いと0.5倍ではなく0.4倍になります。令和8年度基準では、改定時に、後発品企業の評価でA区分となった企業の品目を価格帯の集約から外す範囲が広がりました。

初収載価格

後発品は開発コストが小さいため、先発品より大幅に安い価格から始まります。

先発品を100とすると、後発品は50から始まる

点線は50。薄い部分はバイオ後続品の加算の上限(70または60の10%)です。

先発品(最類似薬)100

後発品50

後発品(内用薬で、同時収載が7品目超)40

バイオ後続品70+最大7

バイオ後続品(内用薬で、同時収載が10品目超)60+最大6

後続の後発品は、先発品の何割と決まっていないので入れていません。AG(先発品と同一の後発品、2026年10月以降の収載分)は、先発品と同額(100)です。

新規後発品の初収載価格(令和8年度基準)
区分初収載価格
最初の後発品先発品(最類似薬)薬価の 100分の50
(内用薬で品目数が7超なら100分の40)
後続の後発品既収載の後発品のうち最も低い薬価と同一
(同じ会社の品目があれば、その中で最も低いもの。内用薬で品目数が7超なら、既収載の後発品が改定を受けるまで100分の40)
バイオ後続品(バイオシミラー)先行品薬価の 100分の70 + 臨床試験の充実度に応じて最大10%を加算
(内用薬で品目数が10超なら100分の60)
先発品と同一の後発品(AG)
(バイオ後発品を含む)
先発品を比較薬として類似薬効比較方式(Ⅰ)で算定

※ 品目数は、同時に収載される同一組成・剤形区分・規格の品目で数えます(AGを除く)。後続の後発品では、既収載の後発品も合わせて数えます。
※ AGは、組成・剤形・製法が先発品と同一のもの。2026年10月以降の収載分に適用され、改定時も先発品の価格に連動し、価格帯の集約でも別扱いです。

PMP累積額控除

「先発品薬価の0.5倍」の0.5倍を掛ける相手は、いま告示されている薬価ではありません。先発品がPMPの適用を受け、累積額がまだ控除されていなければ、累積額を引いた額を比較薬の薬価とみなします(第2章第2部1のヘ)。

剥がしてから、半分にする棒の全幅が1,000円。数値は仮設例です。
先発品いまの薬価 累積額 200 1,000

↓ 累積額 200円 を剥がす

比較薬とみなす額累積額を引いた後 800

↓ × 0.5

後発品初収載価格 控除しなければ 500円 400

剥がさないと100円高く始まります。

※ 類似薬効比較方式(Ⅱ)にも同種の規定があり(第1章21)、累積額はPMP品そのものや、PMP品を比較薬として算定された品目からも控除されます(詳しくはセクション10)。

価格帯の集約

後発品が増えると価格はばらつきます。改定時には、内用・外用の後発品(AGとバイオ後続品を除く)を同一組成・剤形区分・規格ごとに価格帯へ集約し、各帯の加重平均値にそろえます。区切りは類似薬のうち最も高い価格の 50%以上 / 30%以上50%未満 / 30%未満。類似薬には先発品も含まれます。

※ 注射薬とバイオ後続品は、令和8年度基準から、最高価格の30%を下回るものだけが集約されます。
※ 各帯では、改定前の薬価が加重平均値を下回る品目を別に加重平均するなど、集約で薬価が上がりすぎないようにするただし書もあります。

7品目を価格帯にまとめる先発品1つと後発品7品目。棒の長さが価格、太さと左の列の数字が加重に使う数量です。帯は、ものさし(類似薬の最高価格100円)の50%以上・30〜50%・30%未満の3つ。目盛にふれるとその段になり、離れるとそこで止まります。目盛を押すと、その段を見られます。
先発品 類似薬の最高価格 100.0
A社A区分 20 72.062.2
B社 10 58.062.254.4
C社 15 52.062.254.4
D社 25 44.040.4
E社 20 36.040.4
F社 8 27.024.0
G社 4 18.024.0

前提集約前の価格と、3つの帯

実勢価改定まで済ませた価格が18〜100円とばらついています。ものさしは後発品の最高値ではなく、ここでは先発品の100円で、境目は50円と30円です。先発品自身は集約に加わりません。

帯ごとに1つの価格へ

下の帯は、数量がG社の2倍あるF社の側へ引かれて24.0円になります。A社の62.2円は、次の②がなければの額です。

A区分の企業は集約から外れる

A区分の企業の品目は、値引きが全後発品の平均より小さく、集約しても最も高い価格帯に残るなどの場合、集約されません。A社は72.0円を維持。残るB・C社はA社の高値が抜けたぶん54.4円まで下がります。

※ 価格・数量は仮設例。①は、上=(72×20+58×10+52×15)÷45=62.2円、中=(44×25+36×20)÷45=40.4円、下=(27×8+18×4)÷12=24.0円。②はA社を除いて(58×10+52×15)÷25=54.4円。A区分が外れる条件の全体(後発品の初収載から5年の区切りなど)はセクション12

集約では、安売りした企業の価格が救済される一方、価格を維持してきた企業の価格は引き下げられます。この逆向きの力が少量多品目構造を温存してきたという批判を受けて置かれたのが後発品企業の評価(別表11)で、図の②がその効き目です(詳しくはセクション12)。

統一名収載

薬価基準への載り方は2通り。商品名ごとに薬価が付く「銘柄別収載」と、成分・剤形・規格ごとに1つの薬価を付ける「統一名収載」です。後者は商品名が告示されず、どの企業の製品も同じ薬価です。統一名収載になるのは、局方品や生薬など製造販売業者ごとに薬価を分ける必要が乏しいものと、後発品のうち最高価格の30%を下回るいちばん下の帯です。30%未満の帯は価格帯の集約そのもので、どの品目がここに入るかは改定のたびに決め直されるため、銘柄別収載との間を移る品目もあります。

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